こんにちは!京王井の頭線浜田山駅近くにある本格的なフリーウェイト特化型ジム、パワーフィットスタジオZEROの濱田銀河です!東京都内でパワーリフティング練習もできるコスパの良いフィットネスジムにもなります。
キングオブエクササイズと呼ばれるトレーニングの王様、スクワットですがいったいどこまでしゃがめばいいのかと思ったことはありませんか?
巷では、ネットスラング的に「スクワットの深さは人間性の深さ」なんて言われることもあり、深いスクワットが正義のような風潮が見受けられます。
今回は、スクワットの深さについての悩みを解決していけたらと思います。
それでは参りましょう。
目次
スクワットの深さの種類
スクワットの深さには、大きく分けて4つの種類があり、先行研究(Hartmann et al., 2013;Wretenberg et al., 1996;Escamilla et al., 2001)では、以下の基準で分類がされています。
フルスクワット

太ももの位置:床と並行よりやや下
膝関節の屈曲(曲がる)角度:約130~140度
パラレルスクワット

太ももの位置:床と並行
膝関節の屈曲(曲がる)角度:約100~110度
ハーフスクワット

太ももの位置:床と並行よりやや上
膝関節の屈曲(曲がる)角度:約80~90度
クォータースクワット

太ももの位置:ハーフスクワットよりも浅い
膝関節の屈曲(曲がる)角度:約45~60度
スクワットの深さがもたらす違い
ここからは、スクワットの深さが違うことでどのような違いが起こるのかを解説していきます。
使われる筋群の違い
スクワットの主動筋は、大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリングスと呼ばれる筋肉で、それぞれ前もも、お尻、もも裏に位置している筋肉になります。
また、補助筋として内転筋群や脊柱起立筋と呼ばれる、それぞれ内ももや腰まわりに位置する筋肉が使われます。
これらの筋群は、しゃがむ深さによって筋活動の特徴が異なり、
フルスクワットでは大臀筋やハムストリングス、内転筋群の活動が高いといわれています。
逆に
ハーフスクワットでは、大腿四頭筋の筋活動が支配的であるといわれています。
したがって、より浅いスクワットでは大腿四頭筋、深いスクワットでは大臀筋やハムストリングス、内転筋が優位になるといえるでしょう。
パフォーマンスの違い
しゃがみの深さの違いによって、パフォーマンスにも違いが出るといわれています。
ハーフスクワットは少ない可動域の中で動作を行うため、高重量を扱いやすく、動作の速度を保ちやすいのが特徴です。
Rheaら(2016)の研究では、浅いスクワットでスプリントタイムやジャンプ高の記録が向上したと報告されています。
これは、トレーニングした関節角度付近でのみ筋力が向上するという関節角度特異性の影響であるといわれています。
逆に
フルスクワットは、より多くの筋群を動員し、多様な筋群の筋力や柔軟性、姿勢制御能力を高めるといわれています。
さらに、Hartmannら(2013)によると、ジャンプやスプリント能力の改善はフルスクワットでのみみられたと報告されています。
→この結果は、ハーフスクワットの際に示したと逆行していますが、この研究内ではアスリートを対象にしており、Rheaら(2016)よりも高負荷を扱っていたため、膝周囲の痛みや腰部のハリ、機能障害スコアが向上し、結果として浅いスクワットではジャンプやスプリント能力が向上しなかったと筆者は解釈しています。
したがって、浅いスクワットでは、高負荷を速度を保って挙上することができる点にメリットがあり、深くなっていくと多様な筋群を動員することができることで筋力だけでなく、柔軟性やバランス能力までも高めることができるということができます。
怪我や痛みなどのリスクの違い
深いスクワットをすると膝を痛める可能性があると言われたことがある方もいるのではないでしょうか?
しかし、近年の研究では、適切なフォームと可動域をコントロールする能力があれば、深くしゃがんだ方が安全であることが示されてきています。
Hartmanら(2013)によると、フルスクワットはハーフスクワットより膝前方線弾力が小さいと報告されており、これはフルスクワットにおいて臀筋やハムストリングが膝前方へかかる張力を相殺するからだといわれています。
また、Pallaresら(2020)によると、ハーフスクワット群では、膝周囲の痛みや腰部のこわばり、機能障害スコアが有意に上昇したと報告されています。さらに、同研究でフルスクワット群ではこれらの指標は改善傾向を示しています。
したがって、深くしゃがんだ方が膝や腰にかかる負担は少なくなり、怪我が起こりづらいといえるでしょう。
スクワットの深さをどうやって使い分けるか
それでは、スクワットの深さの違いをどのようにトレーニングに組み込むべきでしょうか?
代表的な3つのケースで具体例を挙げていこうと思います。
パワーリフターの場合
パワーリフティングのスクワットはルール上、ヒップジョイントと呼ばれる股関節の付け根が、膝の上面よりも下がるまでしゃがむ必要があります。つまり、フルスクワットでの筋力が求められるということです。

筋力は、トレーニングをしている関節角度で最も発達しやすい関節角度特異性があるということを考えると、フルスクワットをメインにトレーニングをしていく必要があるでしょう。
それよりも浅いハーフスクワットやクウォータースクワットは、より高負荷を扱えるため、筋力をより向上させたい時期に週1程で80~90%1RMの高負荷で実施するのも有効かと思います。
一般の方の場合

特に健康増進目的で筋力向上も筋肥大も怪我なく安全に行いたいという方は、パラレルスクワットをお勧めします。
フルスクワットよりもやや浅めの可動域にはなりますが、トレーニング効果としてはほとんど遜色がないことが示されているので、
・大腿四頭筋、ハムストリングス、大臀筋、内転筋などをバランス良く鍛えることができる
・膝や腰を痛めにくい
・筋力だけでなく、バランス機能も向上する
というような1つの種目でマルチな効果が期待できるためパラレルスクワットをお勧めします
アスリートの場合

ウエイトトレーニングを競技の補強として実施している方の場合は、結論から言うとパラレルスクワットとハーフスクワットを使い分けることが最も効果が高いでしょう。
特にスポーツ現場では、レジスタンスプライミングと呼ばれる、試合前に高強度のレジスタンストレーニングを行うことで、神経系を活性化し、直後の24~48時間での筋出力を高めると言う戦略が注目を浴びています。
ハーフスクワットの膝関節の角度はスプリントやジャンプ動作に近い角度であり、可動域の短さから筋損傷が起こりづらい、フルスクワットよりも高負荷を扱えるというような様々なメリットがあるため、レジスタンスプライミングに特に有効なしゃがみの深さだといわれています。
しかし、ハーフスクワットばかりでは、先述の通り膝や腰の痛みが出やすく、大腿四頭筋ばかりが鍛えられるため、ハムストリングスとの筋力比が崩れ、ハムストリングスの肉離れも起こしやすくなってしまいます。
安全に、バランス良く筋力向上そして筋肥大をして身体のベースを作るためにパラレルスクワットを日常的に取り入れることが重要になるでしょう。
したがって、
普段のトレーニングはパラレルスクワットで
試合や記録を出したい時は、ハーフスクワットで試合の24~48時間前に高負荷を用いる
ことがお勧めです。
まとめ
いかがでしたか?
今回はスクワットの深さについてお話をしてきました。
まとめると
・スクワットの深さには(フル、パラレル、ハーフ、クウォーター)の4種類がある
・より浅いスクワット(ハーフ、クウォーター)では、高負荷を扱うことができるが、膝や腰の怪我のリスクにつながる可能性がある
・より深いスクワット(フル、パラレル)では、下肢の多くの筋群を鍛えることができ、怪我のリスクが少ない
です。
皆さんのトレーニングの目的に合わせて、スクワットの効果を使い分けてみてください!
また、以前にもスクワットのバリエーションについての記事も書いておりますので、こちらも合わせてお読み頂けると嬉しいです。
パワーリフター×トレーナーが教えるスクワットの種類(バリエーション)
参考文献
・Hartmann, H., K. Wirth, M. Klusemann, J. Dalic, C. Matuschek and D. Schmidtbleicher. 2013. Influence of squatting depth on performance and injury risk in strength training. Hum Mov Sci 32: 1214–1222. doi: 10.1016/j.humov.2012.09.001
・Wretenberg, P., Y. Feng and U. P. Arborelius. 1996. High- and low-bar squatting techniques during weight-training. Scand J Med Sci Sports 6(3): 149–156. doi: 10.1111/j.1600-0838.1996.tb00092.x
以上になります!
当パワーフィットスタジオZEROでは、他のフィットネスジムよりもフリーウェイトに特化したフィットネスジムであり、トレーニング中級者以上の満足度の高い良いトレーニング環境となるでしょう!
あと、パーソナルトレーニング指導もしておりますので、スクワット、ベンチプレス、デットリフトをしっかりと学びつつ、他のダンベルやマシン種目なども学んでボディメイクもしたい方にもおススメです。



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