こんにちは!京王井の頭線浜田山駅近くにある本格的なフリーウェイト特化型ジム、パワーフィットスタジオZEROの濱田銀河です!
東京都内でパワーリフティング練習もできるコスパの良いフィットネスジムにもなります。

大会シーズンになり、全国のパワーリフターが大会でベストパフォーマンスを発揮するために様々な工夫を凝らしていると思います。

かくいう筆者も今月末の秋期東京パワーリフティング大会に向けて絶賛調整中になります。
パワーリフティングは階級制の競技であるため、いかに賢く体重をコントロールするかが重要になってきます。
多くの選手は、普段よりも軽い体重の階級でエントリーすることが多いです。

なので、今回はパフォーマンスを落とさずに、体重をカットする方法について話していきたいと思います。

パワーリフターが行う水抜きとは?

水抜きはボクサーや、柔道家など階級制の格闘技で盛んに行われているイメージがあると思いますが、実はパワーリフターも行うことが多いです。
これらの階級制競技では「筋力・筋量を落とさずに体重のみを減らす」ことが最大の目的となります。
この体重を落とす方法の一つとして水抜きがあり、最大の利点は短期間で体重を落とすことができる点になります。

このような急速に体重を減らすことをRapid Weight Loss といいます。
ここで注意すべきは、この減量法は脂肪を減らすことではないということです。

体脂肪を減らすような減量は同時に筋肉も減ってしまう可能性も孕んでいるため、特に試合の直前に行うのはパフォーマンスには不利に働く可能性があります。

したがって、パフォーマンスの低下を最小限に、体重を落とすRapid Weight Lossのいくつかの方法を用いることが階級制の競技において非常に有効になります。

Rapid Weight Lossの方法

Rapid Weight Lossの方法は以下の4つがあります。

①ウォーターローディング/ウォーターカット
②食物繊維のカット/脂質と炭水化物の割合の調整
③ファスティング
④サウナ/入浴

これらの方法を1つずつもしくは組み合わせて、目標の体重に一時的に落としていきます。

①ウォーターローディング/ウォーターカット

Rapid Weight Lossで最も体重を落とすことができ、体重の2.5~3.2%を落とすことができると言われています。

この方法は、計画的に水分の摂取量を増加させ、体の体液濃度を低い状態に慣れさせた後に水分の摂取量を少なく制限することで、脱水による体液濃度の低下によるパフォーマンスの低下を起こすことなく体重の減少ができるというテクニックになります。

手順は以下の通りです

①大会5日前
体重1kgあたり80mlの水分を1日かけて飲む(体重85kgの人なら6.8L)

②大会4日前から2日前まで
体重1kgあたり100mlの水分を1日かけて飲む(体重85kgの人なら8.5L)

③大会前日
体重1kgあたり15mlの水を検量の16時間前までに飲む(体重85kgの人なら1.2L)

注意点としては、1時間あたりに飲む水の量が500mlを超えると水中毒に陥ってしまう可能性があるので、計画的に水を飲むようにしましょう!

②食物繊維のカット/脂質と炭水化物の割合の調整

食物繊維は野菜やご飯やパンなどの穀物に豊富に含まれており、摂取すると最終的には便となり、排出されます。
この便が体内にある状態を極力減らすことで、体重を普段より落とすことができます。
この方法で、0.5~1kg程度体重を落とすことができます。

脂質と炭水化物の割合を調整する理由は2つあります。

1つ目は炭水化物の保水性です。
炭水化物は体内で水分と結合しやすく、1gあたり3gの水を保持するといわれています。
水分補給の際に炭水化物の重要性がいわれているのはこのためですが、体重を落とすためにはいかに体内に水を保水しないかが重要になります。
したがって、炭水化物の摂取量を減らしていきます。

2つ目は糖新生を起こさないようにするためです。
先ほど炭水化物の摂取量を減らすと述べましたが、それだけだと摂取カロリーが低下するため、エネルギー不足を補うために筋肉を分解してエネルギーとして利用する糖新生を引き起こしてしまいます。
筋肉量の低下はパフォーマンスの低下を起こしてしまう可能性があるため、摂取カロリーの低下は防がなくてはなりません。
したがって、減らした炭水化物分のカロリーを保水性の低い脂質の摂取で補うことで糖新生による筋肉量の低下を防ぐことができます。

手順は以下の通りです

大会3日前から
・食物繊維を極力とらないようにする(より食物繊維が少ない食品を選ぶ)
・炭水化物の摂取量を60%減らし、脂質の摂取量を増加させ、維持カロリー(普段の総摂取カロリー)と同等にする

③ファスティング

ファスティングはみなさんも聞き馴染みがあるのではないでしょうか?
これは、一定の期間、水分と食事をとらないようにすることです。
この方法はどちらかというと、体重が増えないように飲食を制限するという方法なので、そこまで、体重を落とす効果はありません。
したがって、他の方法と組み合わせて実施することを推奨します。

基本的には検量の12~16時間前からファスティングを実施するようにしましょう。

④サウナ/入浴

最後の方法は、サウナや入浴で汗をかいて体重を落とす方法です。

これは、やや体に負担がかかる方法なので、必要がない方は先述の他の方法を優先的に実施することをお勧めします。

この方法を実施する方は汗をしっかりとかけるように事前に暑熱順化の手順を踏むことで、汗をかきやすくなるため効果的かもしれません。
暑熱順化の方法はこちらを参考にしてください。

また、入浴で汗を流したい方は、マグネシウムの入った入浴剤等を使用することでより汗をかくことができるにのでお勧めです。
筆者のお勧めを下に紹介しておきます!

筆者のお勧め①エプセムソルト

筆者のお勧め②マグネシウムフレーク

検量後の過ごし方

検量をクリアした後は直ちにリカバリーをする必要があります。
パワーリフティングは、検量から2時間で試合が始まってしまうため、ここで十分なリカバリーができるかが試合のパフォーマンスに強く関わってきます。

ここでは、方法①のウォーターローディング/ウォーターカットを行ったという程で話を進めていきます。

①水分の回復

水抜きによって、身体は一時的に脱水状態になっているため、パフォーマンスの回復には何よりも水分補給が重要です。

ここで摂取する水分において第一に考慮すべきは水分の浸透圧です。

浸透圧の違いによって飲料は

・アイソトニック飲料・・・人の体液とほぼ同じ浸透圧の飲料
・ハイポトニック飲料・・・人間の体液よりも浸透圧が低い飲料

の2種類に大別されます。
また、スポーツドリンクは電解質もバランス良く含まれており、リカバリーの際に効果的な飲料になりますが、浸透圧も考慮して選ぶと非常に効果的になります。
目安として糖質のパーセントを見ると良いでしょう。
糖質が全体の2.5%~8%のものはアイソトニック飲料、2.5%以下のものがハイポトニック飲料になります。

それでは、この浸透圧の違いからどのように飲料を選ぶかを紹介していきます。

アイソトニック飲料は糖質が多く保水性が高いことがメリットとして挙げられます。
しかし、浸透圧が高ため、吸収が遅いというデメリットがあります。

ハイポトニック飲料は浸透圧が低いことから吸収の速さがメリットになります。
反対に、糖質が少ないことから保水性が低いことがデメリットになります。

両者のメリット、デメリットから考えると、
検量直後のタイミングは、いち早く水分を補給するためにハイポトニック飲料、試技直前から試合中にかけてはいかに保水するかが重要になるためアイソトニック飲料を摂取することがベストだと考えられるでしょう。

次に摂取する水分の量とタイミングです。

検量後から試技開始前までに摂取する水分は
体重1kgあたり30ml +落とした体重分の量
になります。
仮に検量体重が83kgで3kg水抜きで落とした場合、約5.5Lのアイソトニック飲料を準備します。

これを摂取するタイミングは、検量直後に用意した飲料の半分を飲み
その20分後から試技開始にかけて残り半分の飲料を飲みます。

先ほどの例を出すと、検量の直後に2.2L飲み、そこから20分空けたところから試技開始までに全部を飲み切るということになります。

②エネルギーの補給

次にエネルギーの補給です。
検量前には一時的にファスティングをしているため、エネルギーが枯渇しているため補給をする可能性があります。

この段階でパフォーマンスの向上に寄与すると考えられる栄養素は糖質になります。
また、いち早くエネルギーとして使える状態にするためにできるだけ吸収が早いものが推奨されます。

したがって、バナナや海苔無しのおにぎりなどを摂取しましょう。

タイミングとしては、検量直後の飲料を飲んだ20分後から少しずつ食べていきましょう。
吸収できる糖質は1時間あたり60gといわれていますし、飲料にも糖質は含まれていますので、無理せずこまめに食べていきましょう。

リカバリーまとめ

少しごちゃごちゃしたので、リカバリーについて再度まとめます。

①体重1kgあたり30ml +落とした体重分のハイポトニック飲料を用意する(検量体重が83kgで3kg落とした場合は約5.5L)
②検量直後に①のドリンクの半分を飲む
③②の20分後からバナナなどの固形の糖質をとり始め、試技開始までに①のドリンクを飲み切る

になります。

ちなみにハイポトニック飲料としてお勧めなのは大塚製薬OS-1になります。
糖質濃度は1~2%とハイポトニック飲料の要件を満たしています。

筆者の好きなOS-1のアップル味

まとめ

いかがでしたか?
今回は、パワーリフティング競技者向けの水抜きを含めたRapid Waight Lossについて紹介しました。

Rapid Weight Lossの具体的な実践例については、弊社の義田の過去記事も非常に参考になりますので、ぜひこちらもチェックしてみてください。

最後に今回のまとめをします。

落とさなければならない体重の%ごとのRapid Weight Lossの方法

1%以下・・・検量12〜16時間前からのファスティングおよび検量前日からの食事の総重量を減らす。
1~2%・・・検量16時間前からのファスティングと検量3日前からの食物繊維のカット、炭水化物を60%減少させ、総摂取カロリーは普段通りにする
2~3%・・・ウォーターローディングとウォーターカットを実施する。検量の5日前に体重1kgあたり80mlの水分を摂り、4日前から2日前まで体重1kgあたり100mlの水分を摂る。大会前日は体重1kgあたり15mlの水を検量の16時間前までに飲む。
3~4.5%・・・以上の方法を全て実施する

4.5%以上の場合はサウナや半身浴を行う必要性がある。タイミングは寝る前が望ましい。

リカバリーの方法

①体重1kgあたり30ml +落とした体重分のハイポトニック飲料を用意する(検量体重が83kgで3kg落とした場合は約5.5L)
②検量直後に①のドリンクの半分を飲む
③②の20分後からバナナなどの固形の糖質をとり始め、試技開始までに①のドリンクを飲み切る

です。

弊ジムでは、このRapid Weight Lossも含めた栄養指導も行なっているため、興味のある方、指導をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

以上になります!
当パワーフィットスタジオZEROでは、他のフィットネスジムよりもフリーウェイトに特化したフィットネスジムであり、トレーニング中級者以上の満足度の高い良いトレーニング環境となるでしょう!
あと、パーソナルトレーニング指導もしておりますので、スクワット、ベンチプレス、デットリフトをしっかりと学びつつ、他のダンベルやマシン種目なども学んでボディメイクもしたい方にもおススメです。

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