京王井の頭線浜田山駅近くにある本格的なフリーウェイト特化型ジム、パワーフィットスタジオZEROの義田です。

ベンチプレスの挙上重量は”トレーニーの偏差値”と呼ばれるくらい話題に上がる数値です。
ベンチプレスの挙上重量を伸ばしたい!という欲求は、大半のトレーニーなら必ず抱くことでしょう。

ベンチプレス強化の記事は「ベンチプレッサーがベンチプレスの悩みに回答してみた」では全体的に必要なことを解説。
ベンチプレスを強くするための補助種目とその理由」では補助種目に着目して解説しました。
今回はベンチプレスを伸ばすためにやるべきことをランキング形式で解説します。
トレーニングに割けられる時間は人それぞれ、優先順位の高い項目から実施して是非ベンチプレスを伸ばしていきましょう!

ベンチプレス
ベンチプレスの重量はトレーニーの偏差値!

ベンチプレスを強くするために必要なことTOP5

ベンチプレス強化に必要な項目を1~5位といったランキング形式で発表します。
筆者の独断と偏見にはなりますが、割と本質をついていると思います。

1位:まずはベンチプレスの練習!とその練習頻度

ベンチプレスに限らず、エクササイズにはそれぞれ特異性があります。
要はベンチプレスを伸ばしたいならまずはベンチプレスをやれ!ということです。
例えば、野球部で野球の練習をすっぽかして、ウェイトトレーニングばかりやっていては野球が上手くなりませんよね笑
ベンチプレスの挙上重量が停滞すると別のエクササイズに逃げてしまう気持ちはよくわかります。
私自身、ボディメイク系大会であるフィジークに挑戦する際、胸トレーニングにおいてベンチプレスを避けて代わりにダンベルベンチプレスやダンベルフライ、ケーブルフライで代用したことがあります。
増量期でダンベルベンチプレスの挙上重量は56㎏づつで10回できるようになりました!
そして、相対的にベンチプレスがかなり弱くなりました笑
怪我やベンチプレス動作で痛み、強い違和感があるという理由以外では、ベンチプレスを伸ばすためにまずはベンチプレスを実施しましょう。

ベンチプレスを実施することにより、ベンチプレスに必要な筋肉(大胸筋、上腕三頭筋、三頭筋前部)が鍛えられ、ベンチプレスの姿勢(ブリッジ)をキープする筋肉(僧帽筋中部と下部、菱形筋、前鋸筋など)も活性化します。
ベンチプレスという動作自体がベンチプレスに必要な柔軟性向上のストレッチにもなるのです。
もちろん、練習することでフォームの精度や連動性が向上するので、やはりベンチプレスを強くするためにベンチプレスの練習は欠かせません。

練習頻度としては週3~5日がオススメです。
筆者はベンチプレスの練習頻度を週4回としており、現在のメニューは
Day1:スクワット、ベンチプレス(長止め、止め)RPE7くらい、背中(懸垂、ダンベルロー)
Day2:ベンチプレス(テンポ、長止め)RPE7くらい、ショルダープレス、胸+上腕三頭筋(ディップス、荷重腕立て伏せ、ダンベルキックバック)、上腕二頭筋(アームカール)、腹筋種目
Day3:スクワット、ベンチプレス(止め、テンポ、止めなし)RPE6くらい、脚(ブルガリアンスクワット)、背中(シーテッドローイング)、上腕三頭筋(ライイングトライセプスエクステション)
Day4:ベンチプレス(止め1発RPE8~9を綺麗に)、デットリフト、ヘクスバーデットリフト、脚(ベルトスクワット)、胸(ダンベルフライ)、上腕三頭筋(ダンベルキックバック)、腹筋種目
になります。
筆者がやって調子のいいメニューとなりますので、個々で合う合わないはあると思います。

RPEとはRate of Perceived Exertion(自覚的運動強度)
→運動時の主観的負担度を数字で表したもの、ざっくりと腹何分目というイメージです笑
個人的な用い方として、RPE6ウォームアップのように実施できる、RPE7はほぼ粘らない、RPE8はちょい粘り、RPE9もうちょいいけるかな?、RPE10はもう限界!よくできた!という感じです。
RIRとはRepetitions in reserve(残りの回数に余裕をもたせるという意味)
→あと何回できるという意味で、RIR2ならあと2回余裕を残してそこでやめるという意味になります。

ベンチプレスプログラムのRPE、RIRの詳細は過去記事「ベンチプレッサーがベンチプレスの悩みに回答してみた」を参照してください。

週3~5日頻度でジムに行ってのベンチプレス練習が難しい場合は、後述するどこでもフォーム練習や腕立て伏せ、ブリッジ強化エクササイズの実施をしましょう。

ベンチプレスのフォームと強度について

ベンチプレスの姿勢である、肩甲骨の下制、内転、脚の踏ん張り、お腹の力が抜けないなどを意識して練習しましょう。
毎回高重量を持つ必要はなく、基本的に最大RPE8(粘らずに挙上)かRPE9(少し粘る程度)ぐらいで実施し、潰れるまで追い込まない方が筋力向上に向いています
筆者の場合、RPE10(限界まで)は試合本番の第三試技になり、RPE9は月に1回やるかやらないくらいのイメージ(挑戦するアタックデー)です。
セット中の速度差は最初と最後の挙上スピードの差が筋肥大目的なら40%以内、筋力向上目的なら20%以内を目安に実施しましょう。
例えば、とある重量で8レップ実施したとき1レップ目0.3㎧、5レップ目0.24㎧、8レップ目0.18㎧だとしたら、筋力向上目的なら5レップ目で終わりにし、筋肥大目的なら8レップまで実施します。
速度測定はVBTなどのツールが必要になりますが、まずは体感的に”粘り過ぎない強度”を意識してベンチプレス練習をしましょう。

ベンチプレスフォームの解説動画↓
まずは首を長く保ち肩甲骨を下げる下制と適度に寄せる内転を意識します。
肩甲骨を立てる(肩甲骨後傾)が出来ることがベンチプレス強化の秘訣です!

どこでもフォーム練習のやり方↓
立位や座位で動画の動作(ワイドローイングみたいな動き)を反復することでベンチプレスに必要な柔軟性、連動性が改善します。
出来れば毎日最低5分間実施しましょう。
ベンチプレス練習の頻度が実施出来ないときは、とにかくこれとブリッジ強化エクササイズを実施しましょう。

ベンチプレスに直結する腕立て伏せのやり方↓
ただ単に胸、腕を鍛えるだけでなく、肩甲骨と前鋸筋の連動を意識するとベンチプレス強化に直結した腕立て伏せとなります。
ベンチプレス練習の頻度が実施出来ないときは、とにかくこれとブリッジ強化エクササイズを実施しましょう。

動画では肩甲骨などの動きを派手に実施していますが、慣れてきたら内面的意識で肩甲骨の動きを出しても良いかなと思います。
実際のベンチプレスでそこまで肩甲骨の動きを出せないためです。

トレーニングの強度と筋力向上について、濱田トレーナーが分かりやすくまとめてありますので、興味ある方はこちらの記事も参考にしてみてください↓

トレーニング効果を高める「負荷」完全攻略!前編
トレーニング効果を高める「負荷」完全攻略!後編

2位:姿勢(ブリッジ)が大切、ブリッジ強化エクササイズ

ベンチプレスにおいてのブリッジはただ単純に可動域を減らすという目的だけでなく、肩の負担を減らし胸全体(特に中部、下部)の力で押せるようにするための重要な要素となります。
ベンチプレスのブリッジは決してインチキじゃありません笑
始めの内はベンチプレスの練習のみでは十分なブリッジが組めませんので、ベンチプレスの練習と平行してブリッジ強化エクササイズを実施しましょう。

ベンチプレスにおいて肩甲骨を下げる下制、寄せる内転、そして肩甲骨を立てる後傾が重要です。
その肩甲骨のポジションを作るために様々なストレッチ、エクササイズが必要になります。

肩甲骨と肩関節、胸椎のストレッチ/エクササイズ

ベーシックな肩甲骨周りのストレッチとエクササイズになります。
ベンチプレス前に実施していきましょう。
所要時間は10分くらいで終わりますので、ベンチプレス強化のために是非時間を投資しましょう。

肩甲骨下制エクササイズ

椅子を使った肩甲骨下制エクササイズになります。
肩甲骨の下制はベンチプレスだけでなく、あらゆるエクササイズに必要な能力となりますので是非実施しましょう。
所要時間は5分以内になります。

肩甲骨の動きを優先した背中トレーニング

ベンチプレス強化に繋がる背中トレーニングの秘訣は、まずは肩甲骨から動かすことが重要になります。
肘を曲げる前に肩甲骨を下げる/寄せる動きを十分に出してから肘を曲げて引くイメージです。

・ワイドグリップシーテッドロウイング
ベンチプレスの動きに直結する背中トレーニングになります。
かなりオススメです!

・ワイドラットプルダウン
肩甲骨下制と下方回旋の動きを強化する背中トレーニングになります。

・インバーテッドローイング
仰向けで引っ張る背中トレーニングになり、地面を蹴ることによりベンチプレスに直結した脚の踏ん張り、背中の収縮を会得できます。

3位:脚(レッグドライブ)との連動が大切

ベンチプレスは基本的に胸、肩、上腕三頭筋の力を使って挙げますが、脚の力(=レッグドライブ)も想像以上に重要になります。
高重量を扱うようになると、バーベルを降ろす動作時にブリッジが潰れてしまいがちです。
この際にレッグドライブが掛かっているとブリッジを崩さずに高いパフォーマンスで挙上できます。

ベンチプレスの姿勢では肩甲骨を下制、内転、後傾させますが、この際に骨盤が前傾(腰を反らす)します。
この際に肋骨が外旋(肋骨が開く)するとお腹の力(とくに内腹斜筋)が抜けてしまい、レッグドライブが胸まで伝わらず、お尻が浮くか腰を痛めてしまいがちです。
”反る”と”お腹の力”を拮抗させるイメージでブリッジを強化します

解剖学的には肋骨を内旋させつつ、肩甲骨の下制と内転を両立させるイメージです。
(しかし、肩甲骨の下制と内転をすると肋骨は外旋しがちですのでこれが難しい・・・。)
ベンチプレスのフォームでは息を吐いて肋骨を締めて内腹斜筋を活性化し、その状態でブリッジが組めると良いでしょう。

腹圧を意識したベンチプレスフォームの解説動画↓

ベンチプレス以外にも各エクササイズにおいて肩甲骨の下制/内転と肋骨の内旋を意識することで、普段からその姿勢をキープ出来るようになります。

デッドバクなど腰を反らさずに、腰を床に押し付け腹圧を掛けながら四肢を動かすエクササイズもおススメです。
動画では片脚のみですが、腕を使ったりなどバリエーションを持たせることもできます。

4位:ケア無くしては攻められない!ケアの重要性

ケアは歳をとってから・・・という考え方が私にもありました。
がしかし、扱える重量が重くなってくること&トレーニングボリュームが増えてくると、正しいフォームで練習していてもどこかしら痛みや違和感を伴ってきます。
そこで日々のケアを実施するとそのような違和感なく練習に励むことができます。

RPGゲームで例えるならば、ダンジョン奥まで攻めるためには回復手段が必須ということです。
守りのケアではなく、いわば攻めのケアですね!
ケアの場所としてはベンチプレスの押す動作で酷使される大胸筋、上腕三頭筋、前腕
肩インナーマッスルである棘下筋、小円筋
ブリッジに必要な柔軟性を持たせるために僧帽筋上部/中部/下部、腰方形筋、広背筋などになります。

対象部位をフォームローラーやボール、手技などによって圧をかけてゆっくりとほぐしていきます。
その後に先ほど紹介したブリッジ強化エクササイズの動的ストレッチなど、エクササイズで動かす。と言った形で実施します。

手技、フォームローラーを使ったケア方法

小胸筋→大胸筋→小円筋/棘下筋→広背筋や前鋸筋をフォームローラーを使ってほぐしましょう。
フォームローラーで対象部位に持続圧を掛けて、ゆっくりと呼吸して奥までほぐれるように意識していきましょう↓

フォームローラーよりもボールの方が深層までほぐれるので、よりほぐしたい部位はボールがオススメです。
肘の違和感であれば上腕三頭筋や前腕をフォームローラー、ボール、手技などでほぐすと違和感が軽減することが多いです。

5位:ベンチプレス強化に直結する補助種目を

ただ単に鍛える!というよりは、ベンチプレス時の姿勢や動作に則して補助種目を実施するイメージです。

ディップス:ディップスは上腕三頭筋、大胸筋下部の種目というイメージが強いですが、トップポジションの際に肩甲骨を下制、内転する意識で実施すると、素晴らしいブリッジ強化種目にもなります。

オーバーヘッドプレス:立った姿勢でバーベルを頭上に挙げるショルダープレスですが、頭上にしっかりと掲げることで前鋸筋や肩甲骨周りの動きも良くしていく、ベンチプレスにおいての総合感冒薬的な種目になります。

腕立て伏せ:ベンチプレスにおいてはシートで肩甲骨の動きが固定しがち(肩甲骨を固定するイメージ)ですが、腕立て伏せは押す動作で肩甲骨を動かすことができ、前鋸筋や肩甲骨周りの動きも良くしていく総合感冒薬的な種目になります。
また、ベンチプレスが出来ないときに腕立て伏せやブリッジ強化エクササイズを実施することで、忙しくてベンチプレス練習が出来ないそんなあなたでも!器材無しでベンチプレスを強化できます!

より詳細は過去記事「ベンチプレスを強くするための補助種目とその理由」を参照してください↓

番外編:そもそも身体が硬すぎる人には・・・

身体が硬すぎる人は、そもそも緊張状態であり”身体がほぐれることを許してくれていない状態”です。
その状態でストレッチやエクササイズ、ベンチプレスの練習をしても正直効率が悪いです。
そんなときは、身体の緊張状態を解除してあげるため、ゆっくりと呼吸をするエクササイズを足していきましょう。
仰向けに寝て腰全体を床にべったりと付けた状態で、
1.5~10秒息を吸う
2.5~10秒息を吐く
3.5~10秒息を止める
1~3を8~13回繰り返すのがおススメです。

呼吸エクササイズ「10-10-10ブリージング」の詳細はこちらを参考にしてみてください↓

力みがち/身体の硬い人必見!脳からほぐす画期的エクササイズ10-10-10ブリージング/プログレッシブリラクゼーション

まとめ

ベンチプレスを強くなるためにやるべきことの優先順位は
1位:ベンチプレスの練習頻度とボリューム
→週3~5日の頻度がオススメ、ジムに行けないならば紹介したどこでもフォーム練習や腕立て伏せ、ブリッジ強化エクササイズを実施しましょう。
毎回限界まで追い込む必要はなく、重くてもRPE8~9くらいのそこまで粘らずにスピーディーに挙上できる重量を伸ばしていくイメージです。
2位:ブリッジ強化エクササイズ
→ベンチプレスにおいてブリッジは重要です。
肩甲骨の可動域、動きを改善するため僧帽筋下部/中部を中心に活性化していきます。
ベンチプレス練習のない日は、トレーニング前に紹介したエクササイズを実施しましょう。
3位:腹圧+レッグドライブ
→肩甲骨の下制、内転、後傾に伴って肋骨を締める内旋が出来れば脚の踏ん張りが挙上パフォーマンスに直結します。
ベンチプレスのフォームの意識、全てのエクササイズにおいてそのポイントを意識してトレーニングしましょう。
4位:ケア
→正しいフォームでもケア無しでトレーニングすると、重量やボリュームが増えた際に痛み/違和感が出てしましがちです。
大胸筋、小胸筋、上腕三頭筋、前腕、小円筋、棘下筋、前鋸筋などをフォームローラーやボール、手技などでケアしていきましょう。
5位:ベンチプレスに則した補助種目
→ベンチプレスの動作や姿勢に則して補助種目を実施しましょう。
まずは、ディップス、オーバーヘッドプレス、腕立て伏せがオススメです。
そもそも身体が硬すぎる人は呼吸エクササイズの10-10-10ブリージングを実施して緊張状態を解除していきましょう。

是非、この優先順位でベンチプレスの練習を実施して、確実にベンチプレスを強化していきましょう!

以上になります!
当パワーフィットスタジオZEROでは、他のフィットネスジムよりもフリーウェイトに特化したフィットネスジムであり、トレーニング中級者以上の満足度の高い良いトレーニング環境となるでしょう!
あと、パーソナルトレーニング指導もしておりますので、スクワット、ベンチプレス、デットリフトをしっかりと学びつつ、他のダンベルやマシン種目なども学んでボディメイクもしたい方にもおススメです。

49歳喜多様、5ヶ月間で体重-12kg、体脂肪率-16.2%、ウェスト-25.5cm!

佐々木様、4ヶ月間で劇的ビフォーアフター!そしてボディメイク大会のフィジークへ参戦。

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