京王井の頭線浜田山駅近くにある本格的なフリーウェイト特化型ジム、パワーフィットスタジオZEROの義田です。
世間一般的なトレーニングの目的として、生活習慣を改善して肥満を解消するダイエットが主流です。
そこからトレーニング歴が長くなってくると、筋肉を付けていく増量期(バルクアップとも言いますが、この記事においては増量期と表現します)を設けるようになります。
実はこの増量期が食事管理、トレーニングスキルともにダイエットよりも難しいのです!
難易度としてはダイエット<筋肥大<競技力向上というイメージでしょうか。
今回はそんな増量期の効率的なやり方を解説します。
目次
ダイエット期と増量期の違いについて
ボディメイクはカッコイイor美しい身体作りを目指すことです。
ボディメイク=無駄な体脂肪が無くて、筋肉が付いていること に尽きます。
ボディメイクの目的を達成するために2つのシーズンを設けます。
1.ダイエット期=筋肉をなるべく減らさずに体脂肪を落とす時期
2.増量期=体脂肪をなるべく付けずに筋肉を増やす時期
になります。
ダイエット期と増量期を分ける理由
「わざわざ2つに分けずに、体脂肪を落としながら筋肉を付けられないの!?」
と疑問に思うかもしれません。
実際のところ不可能ではありませんが、それはトレーニング歴が短い初心者であれば可能です。
しかし、トレーニング歴が長くなりある程度の筋肉量が付いてくると、ダイエット期↔増量期と時期を分けて身体の恒常性※を揺さぶりながらトレーニングを継続していく必要があります。
さらに生理学的な観点から説明すると,、ダイエット期においてはAMPK(細胞の分解に関わるタンパク質キナーゼ)の活性化、増量期においてはmTOR(細胞の合成に関わるタンパク質キナーゼ)の活性化が重要になり、AMPKとmTORは相反する性質があるため両立が難しいと言えます。
※恒常性(ホメオスタシス)とは、生物において内部環境を一定に保とうとする働きになります。
例えば、体温が上昇すると汗をかいて体温を下げようとする働きも恒常性によるものです。
ボディメイクにおいては、過激なダイエットをすると停滞しやすいだけでなく、元に戻す働きが強くなりリバウンドしてしまったり、増量期においては一定の体重以上増えにくくなってしまったりします。
参考文献:栄養センシングと細胞機能の制御
正しいダイエット期について
今回の記事は増量期について書いていきますので、ダイエットに関しては軽く解説していきます。
ダイエットに関して気になる方はこちらの記事「恒常性を揺さぶれ!効果的な増量と減量サイクルについて」を参考にしてみて下さい。
簡潔に言うと筋肉をなるべく落とさずに体脂肪を減らすことが目的のため、極端なカロリー制限はせずに必要な栄養素(たんぱく質やビタミンミネラル、食物繊維、水分など)を摂取していきます。
カロリーバランスとして消費>摂取にしていく必要があるため、カロリーの削減の方法は糖質もしくは脂質の摂取量を減らしていきます。
糖質制限ダイエット(高脂質、中たんぱく質、低糖質)か脂質制限ダイエット(高糖質、中タンパク質、低脂質)のどちちらかになるでしょう。
詳細はこちらの記事「糖質制限と脂質制限(カロリー制限)のメリットとデメリットとは?」を参考にしてみてください。
正しい増量期について
では本題の増量期について解説していきます。
食事量を増やしてカロリーバランスを摂取>消費の状態にして、かつトレーニング強度を高めてしっかりと筋肉へ刺激を入れていきましょう!
トレーニングに関しては、筋肥大効果の高い物理的刺激をしっかりと入れていくことが大切です。
端的に言えばインターバルをしっかりと取り、フルレンジかつ重量を扱えるようになることです。
筋肥大のトレーニングに関しては記事「筋肥大を目的としたトレーニング法とトレーニングの基礎知識」を参考にしてみてください。
増量期の食事管理方法として2つの方法があり、簡潔に説明すると
1.ダーティーバルク:とにかく食べてトレーニングしてデカくなる!
2.リーンバルク:食事量をコントロールして徐々に体重を増やしていく。
最近ではリーンバルクを推奨する傾向にありますし、個人的にも健康的にもリーンバルクをおススメします。
あと、お腹が出たり顔が丸くなると、周りからも色々と言われてしまいショックを受けます笑
あとは増量期↔プチダイエット期→増量期・・・と期分けして恒常性を揺さぶりながら実施すると停滞なく筋肥大による増量ができるでしょう。
ダーティーバルクのメリットとデメリット
メリット:みるみる体重が増加して変化を感じやすい、好きなものを一杯食べられる、有り余るエネルギーによって高いトレーニング強度で高重量が扱える。
デメリット:太りやすくショックを受ける、短期的に体重を増やし過ぎると筋肉量よりも体脂肪量が多く付いてしまう、健康面でのリスクがある、胃腸の疲労も積み重なるので長期的には実施できない。
健康面ではインスリン感受性の低下によって糖尿病のリスクを上げてしまいますし、インスリン感受性が低下するとトレーニングにおける筋肥大効果も低下してしまうというデーターがあります。
また、体脂肪が付きすぎる(男性15%、女性25%を超えてくる)と女性ホルモンの分泌も多くなりますので、増量幅もほどほどにですね。
筋肉はそもそも短期間でたくさんつけることができないため、ダーティーバルクはあまりおススメしません・・・。
好きなものも毎日大量に食べていては飽きて嫌いになりますし、食べたいならたまにチートデーを設けてストレス発散するくらいが丁度いいでしょう。
参考文献:運動による骨格筋の肥大機構の文献的研究
リーンバルクのメリットとデメリット
メリット:あまり太らずに筋肉を増やすことができる、健康面での悪影響が少ない、胃腸への負担が少ない、長期的に実施しても良い。
デメリット:体重の増加幅は少なくて変化を感じにくい、成果を感じるまで長期的に実施する必要がある。
インスリン感受性低下のリスクが少ないため、健康面、筋肥大効果ともにリーンバルクを推奨します。
しかし、体重増加幅が少なく挙上重量も少しずつ伸びていく形になるので、長い目線で効果を実感していくという感覚が大切です。
リーンバルクの実施の仕方
ダーティーバルクは食事量をとにかく増やして、タンパク質はもちろん、糖質も脂質も多く摂取してカロリーを稼ぐ方法になります。
一方、リーンバルクでは極端に摂取カロリーを増やさずに、カロリーバランスは摂取=消費よりも若干上回る摂取カロリーになります。
しかし、カロリー計算はかなり難しい(トレーニング量、生活強度で個人差が大きい)ので、実際に増えた体重の推移を見ながら食べる量を調整しましょう。
体重の増量幅は約500g~1000g/月くらい、1週間であれば100~200gの増量幅を目安に調整しましょう。
体重を図るタイミングとして起床後トイレ後で測り、1週間ごとの平均値を取ると良いでしょう。
リーンバルクの食事管理方法は高糖質食(高糖質中タンパク質低脂質)がおススメです。
糖質は無酸素運動であるウェイトトレーニングのパフォーマンスを向上させるだけではなく、インスリン分泌によってmTORを活性化し筋肥大効果も望めます。
糖質を摂取していることで日常生活やトレーニング時の筋分解を防ぎ、必要なタンパク質摂取量が減る”プロテインスペアリング”効果も望めます。
また糖質をしっかりと摂取しているので、糖質+脂質の組み合わせはインスリン感受性を低下させる可能性があります。
糖質量と相対的に脂質量を削減して主に魚介類、オリーブオイル、ナッツ類などの良質な脂質を適量摂取しましょう。
高糖質食の詳細は記事「高糖質食こそが強くなる秘訣!筋力向上に向いた食事方法について」を参考にしてみてください。
リーンバルクであっても体脂肪が徐々に増えていきますし、インスリン感受性も低下してくるので定期的にプチダイエット期間を挟んでいきましょう。
目安としては増量期3~6ヶ月後にプチダイエットを2~4週間。
もしくは体重増加が10%になったらそこから-5%を目指してダイエットを挟んでまた増量という形になります。
例:体重80㎏→88㎏まで増量→83.5まで減量→92㎏まで増量→87.5㎏まで減量・・・
このプチダイエット期間は高糖質食の糖質量を抑えるのが一般的ですが、糖質制限を実施して脂質をしっかりと摂取するというのもかなりおススメです。
というのも、低脂質が続くと男性ホルモン(テストステロン)の分泌量が低下するとされており、糖質制限食では脂質を摂取できることに加えて、糖質制限によってすい臓を休ませてインスリン感受性を高める効果も期待できるでしょう。
そんな理由で、プチダイエット期間中の高脂質中タンパク質低糖質なケトジェニック食はおススメです!
糖質制限(ケトジェニック食)の方法は記事「間違えて実施すると危険?糖質制限の効果と正しいやり方を紹介!」を参考にしてみてください。
まとめ
・ボディメイクの目的は無駄な体脂肪が無くて、筋肉が付いていること。
・ダイエット期と増量期と期分けすることで停滞なくボディメイクができる。
・増量の手法としてリーンバルクを推奨、増量→プチダイエット→増量・・・と繰り返して、恒常性を揺さぶりながら実施するのがおススメです。
・増量期のトレーニングは物理的刺激を優先して、インターバルを長めに取り、フルレンジでの挙上重量を追求していきます。
・増量期は高糖質食、プチダイエット期ではケトジェニック食をおススメします。
以上になります!
引き続き当ブログを読んで知識を付けて、効率良くトレーニングライフを楽しみましょう!
当ジムではフリーウェイトトレーニング環境が整っており、満足度の高いトレーニングができます。
また、パーソナル指導では専門性の高いトレーナーが一人一人にあった指導を致します。
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