京王井の頭線浜田山駅近くにある本格的なフリーウェイト特化型ジム、パワーフィットスタジオZEROの義田です。

私事ですが2022年10月30日の東京都ベンチプレス大会に優勝しました!

ベンチプレス大会
83㎏級一般での優勝になります。

今回はベンチプレッサーの筆者が機能解剖学、運動生理学、実践経験の観点から、ベンチプレスの悩みに関する質問に答える回となります。

ベンチプレスに関する質問

ベンチプレスはトレーニングの中でもメジャーな種目です。
ベンチプレスの挙上重量は男のステータスであり、ベンチプレスが強くなることは男の野望でもあります。
人気のある種目、ベンチプレスを強くなるための秘訣を質問形式で回答していきます。

ベンチプレス
ベンチプレスの強さ=男の魅力!

Q1ベンチプレスをすると肩が痛くなります…

トレーニング初心者ですが、ベンチプレスをするとすぐに肩が痛くなってしまいます…

A1肩甲骨のポジションが大切、最初は無理をしてバーベルを胸に付けなくてもOK

ベンチプレスで肩が痛くなるのはよくある事例です。
フォームのエラーとして、肩が上がって脇を開いてベンチプレス動作をしてしまうと肩を痛めます。

ベンチプレス
肩がすくんでいる状態

首を長く保ち、肩を下げて背中の筋肉を寄せて、適度に胸を張った姿勢を意識しましょう。

ベンチプレス
肩を下げて首を長く保っている状態

次に、肩甲骨の動きを説明します。

肩甲骨を下げることを下制と言います。

ベンチプレス
肩甲骨の下制

肩甲骨が上がることを挙上と言います。

ベンチプレス
肩甲骨の挙上

肩甲骨を寄せることを内転と言います。

ベンチプレス
肩甲骨の内転

肩甲骨同士を離すことを外転と言います。

ベンチプレス
肩甲骨の外転

ベンチプレスでは肩甲骨の下制を優先し、下制に伴って内転させるイメージで動作をします。
これをベンチプレスのブリッジ(アーチ)を組むと言います。
胸の位置が高くなるので、一般的な視点だと「可動域を減らしてズルをしている・・・」と思われてしまいます。
しかし、ブリッジの本質は怪我を防止しながら高重量を扱えるようにして、胸への刺激を増やすことなのです。
もし、可動域が狭くなることを懸念されるのであれば、ブリッジを組んでバーベルを握りる手幅を狭めれば良いのです。
手幅を狭めると上腕三頭筋(二の腕)に効くイメージがあると思いますが、大胸筋へのストレッチ刺激も増すので意外にも効果的です。
おススメの手幅は81㎝ラインに小指です。

ベンチプレス
ベンチプレスブリッジのイメージ

さらに、ブリッジがバーベルの重さが掛かっても潰れないように脚で踏ん張り(=レッグドライブ)ましょう
レッグドライブが使えるようになると更に重量を扱えるようになるので、筋肥大効果も高まるというものです。
レッグドライブのイメージが付かないときは、あえてお尻を浮かすように踏ん張ると良いでしょう。
慣れてきたら徐々にお尻の浮きを減らして、十分に可動域を取れた状態を目指します。
(パワーリフティングルールにおいてはお尻が付いていないといけないため、試技前の練習ではしっかりと意識しましょう)

ベンチプレス
レッグドライブのイメージ

肩甲骨や胸椎が硬いと十分なブリッジが組めません。
その状態ですと、バーベルを降ろす動作の際に胸ではなく肩への負担に繋がるようになります。
ストレッチを実施して柔軟性を獲得していきますが、始めのうちは無理をしてバーベルを胸に付けなくても良いでしょう。
バーベルにちくわ状のサポーターを付けて可動域を抑えるのも良いでしょう。

↑ちくわと呼んでしまいますが、正式名称はスクワットパッドになります。

トレーニング前にオススメな肩甲骨や胸椎のストレッチ動画↓

ベンチプレス前にこのストレッチを実施すると良いでしょう。
5分間程度にサクッと出来るので、まずはこのストレッチを実施しましょう。

Q2ベンチプレスが胸に効きません!

ベンチプレスは胸の種目と聞きますが、上腕三頭筋(二の腕)と肩の前側しか効きません…

A2肩甲骨と胸椎の柔軟性が大切、背中も鍛えよう

先ほどのベンチプレスのブリッジや、レッグドライブを意識しても胸に刺激が入りにくい場合があります。
結論としては、やはり肩甲骨や胸椎の柔軟性不足ということになりますが、意外にも背中の筋肉が弱くても肩甲骨の動きに制限が掛かります
そんなときは肩甲骨を下げる筋肉と、寄せる筋肉を鍛えたいところです。
オススメの種目はワイドグリップのラットプルダウンとシーテッドローになります。
コツとしては動作の始めから肘を曲げずに、まずは肩甲骨を動かした後に肘を曲げて引くことです。

ワイドグリップラットプルダウンの動画↓

ワイドグリップシーテッドローの動画↓

これらの種目をやりこんで、肩甲骨の動きが最適化されたら胸に刺激が入りやすくなるでしょう。

Q3ベンチプレスをもっと強くしたいです

肩甲骨の柔軟、ベンチプレス、背中トレーニング頑張っていますが、なかなかベンチプレスの重量が伸びません!

A3挙上重量増加には粘ったり追い込まない強度管理が大切

結構あるのが、頑張りすぎて挙上を粘るまで追い込むことです。
筋肉は追い込めば追い込むほど筋肥大しやすいのですが、筋力向上はあまり粘らない方が良いでしょう。
もっと言うと筋肥大であっても、粘りすぎると速筋よりも遅筋へ刺激が入りますので筋肥大しにくくなるとも言えます。
VBTなどで速度を測れるのであれば、最初と最後のレップの速度差が20%以内、筋肥大なら40%以内に止めると良いでしょう。

速度測定が難しい場合、RPEやRIRを用いて強度管理することを推奨します。
RPEとはRating of Perceived Exertionの略で、自覚的運動強度もしくは主観的運動強度というものであり、簡単に説明すると「その運動がどれくらいしんどかったか」を数字で表したものになります。
動画で判断するというよりも、実施している本人の主観的な評価となります。
(スクワットの場合、主観的にはしんどくても客観的には楽にやっているように見えることがよくあります笑)

RPE説明(パワーリフティングでよく用いられる表現)
10非常にきつい、限界
9少しだけ粘った
8粘らずに挙げられた
7スピードを落さずにあと数回は出来る
6ウォームアップのように行える

RIRとはReps In Reserveの略であり、あと何回できたか?を表したものになります。
パワーリフティングで用いる場合、RPE9=RIR1という認識で良いでしょう。

RIR説明
0もう限界
1あと1回できる
2あと2回できる
3あと3回できる
4あと4回できる

私の場合、ベンチプレスにおいてRPE10やRIR0を行うことは本番試技意外に滅多にありません。
イメージとしてはRPE8~9くらいの重量をスピーディーに挙げて、徐々にその重量を伸ばしていくことになります。
代わりに補強種目、とくに背中や上腕二頭筋のトレーニングはRIR0まで追い込むことはよくあります。

握力
背中トレーニングは全力でやり、ショルダープレスやディップスなどの押す種目は追い込み過ぎないようにしています。

より具体的な筋力向上メニューは過去記事「ベンチプレスで筋力と筋肥大の両方を発達させる方法について」を参照してください。

Q4ベンチプレスを強くする補助種目は?

ベンチプレスのフォームを意識し、強度管理して練習します!
ベンチプレスを強くするための補助種目は何をやると良いでしょうか?

A4ディップス、オーバーヘッドプレス、背中トレーニング

肩甲骨の動きが重要になりますので、優先的に背中トレーニングを実施するとして、押す力を鍛えるためにディップスやオーバーヘッドプレスがオススメです。
ディップスやオーバーヘッドプレスの動作においても肩甲骨の動きが重要になります。

ディップスの動画↓

やや前傾姿勢を取り、胸で迎えに行くように降ろします。
肘を伸ばす動きの際に、しっかりと肘を伸ばしきって肩を下げる(肩甲骨の下制)動きも入れられると、肩甲骨を下制する筋肉も鍛えられてより良いです。

オーバーヘッドプレスの動画↓

肘を伸ばし切ってから、上体を前方に入れてしっかりとバーベルを上に差すようにします。
こうすることで前鋸筋や肩甲骨のコンディションが良くなります。

Q5 ベンチプレスが強くなったけど肩が痛くなった!

フォーム良くベンチプレスをしたつもりですが、肩が痛くなりました!どうしたら良いでしょうか?

A5ケアが大切!リカバリーさせないとベンチプレスが強くなるメニューは完遂出来ません

正しいフォームのベンチプレスであってもダメージは蓄積しますのでケアをしっかり実施しましょう。
ダンジョン奥地まで進めるためには回復手段が無いと行けません。
攻めるためにもケアを実施しましょう。

トレーニング前にフォームローラーで軽く大胸筋、上腕三頭筋、小円筋、棘下筋を軽くほぐします。
トレーニング前に大胸筋や上腕三頭筋をほぐしすぎると、筋肉が緩みすぎてしまい一時的な筋出力低下が懸念されます。

トレーニング後にフォームローラーやボールなどで大胸筋、上腕三頭筋をしっかりとほぐしましょう。
トレーニング後であれば緩みすぎによる一時的な筋出力低下は問題になりません。

フォームローラーの動画↓

ボールを使ったケアの動画↓

まとめ

まず、ベンチプレスの正しい姿勢は肩甲骨を下げて適度に寄せることです。
バーベルの重量でブリッジが崩れないように、脚で踏ん張るレッグドライブが大切です。
肩甲骨の動きを良くするために、ストレッチや背中トレーニングを取り入れていきましょう。
ベンチプレスに慣れないうちは、無理をしてバーベルを胸に付けなくても良いでしょう。
重量を伸ばすためのプログラムは、なるべく粘らずに素早く挙上できる重量、強度管理をしましょう。
正しくベンチプレストレーニングをしていてもケアが不足すると痛みが発生します。
トレーニング前後にフォームローラーで胸、腕、背中のストレッチを実施しましょう。

これら、ベンチプレスの要素をしっかりと抑えてトレーニングを実施し、男の野望であるベンチプレスの挙上重量を伸ばしましょう!
自信が付いたらベンチプレス大会に出場して、己の実力を試してみましょう。

以上になります!
パワーフィットスタジオZEROでは、他のフィットネスジムよりもフリーウェイトに特化したフィットネスジムであり、トレーニング中級者以上の満足度の高い良いトレーニング環境となるでしょう!
あと、パーソナルトレーニング指導もしておりますので、スクワット、ベンチプレス、デットリフトをしっかりと学びつつ、他のダンベルやマシン種目なども学んでボディメイクもしたい方にもおススメです。

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