京王井の頭線浜田山駅近くにある本格的なフリーウェイト特化型ジム、パワーフィットスタジオZEROの義田です。

重量を持てるだけでなく筋肥大も促したい!

ベンチプレスの重量を伸ばしたい!
だけど胸の筋肥大も促したい!
そんな欲張りなあなたのために!
今回は筋力向上も筋肥大も促すトレーニング方法について伝授します。
特にベンチプレスについて着目して説明していきます。

重いのも挙げたいし、筋肉も大きくしていきたいですよね!

筋肥大の秘訣とは

筋肥大を促す上で重要なことを説明します。

まず、肉体作りにおいて栄養摂取が重要になります。
今回はトレーニングについて説明するため、栄養面が気になる方はこちらをご覧ください↓
高糖質食こそが強くなる秘訣!筋力向上に向いた食事方法について
トレーニング効果を最大限に引き出すコスパの良い栄養補給方法について
増量期(バルクアップ)はどのようにして行うのと効率が良いのか?糖質制限食(ケトジェニック)も入れるとさらに効果的!?

ではトレーニングにおいて何が必要なのかを説明します。

・フルレンジでの動作とエキセントリックな刺激

筋肉は”物理的”な刺激と”化学的”な刺激を与えることで、その適応反応として成長していきます。
物理的な刺激とは、バーベルやマシンなどによって筋肉へ負荷を掛けて筋破壊が起きる刺激となります。
化学的な刺激とは、反復動作によって血中乳酸濃度が上昇するような(いわゆるパンプ感)刺激となります。

パンプ感は解糖系エネルギー供給の過程で発生する乳酸によるものです。
エクササイズ時間としては30秒~3分間とされており、それよりも短い時間の場合はホスファゲイン機構(ATPを直接的に消費)が優位になるため乳酸が発生しにくくなります。
高重量低レップのような運動強度が高く、運動時間の短いエクササイズは物理的な刺激が強く、化学的な刺激が弱いと言えます。

陸上競技の理論と実践~Sprint & Conditioning~解糖系と乳酸とは?(ヒトのエネルギー供給)

特に筋肥大においては物理的な刺激が重要とされており、特にエキセントリックな刺激が筋肥大を促します※。
エキセントリックな刺激とは負荷を掛けつつ筋肉を伸張させる動作となります。
例えば、ベンチプレスの動作ならばバーベルを下げて胸に付けるとき、スクワットならばしゃがむときの動作になります。
意外にも挙げる動作以上に下げる動作が筋肥大において重要ということです。

※最近では収縮運動であるコンセントリックも重要とされているので、イメージとしては挙げる動作だけではなく降ろしも意識すると良い、といったところでしょう。

過負荷筋における骨格筋幹細胞の活性化・増殖メカニズム解明
挙げる動作だけではなく降ろす動作も重要ということですね!

このことから、代償動作がなく対象筋に最大限の可動域で動作をする(フルレンジ)ことが重要です。
ベンチプレスにおいてはバーベルが胸につくまでしっかりと降ろします。
かつ、肩甲骨を下げて(下制)適度に内転させることで肩が後方に下がり、肩ではなく胸へ伸張性のエキセントリックな刺激を与えることができます。

ただし、身体が硬くて代償動作が入ってしまうことだけは気をつけてください。
例えば、ベンチプレスにおいて肩甲骨や胸椎の可動域が狭く、肩が前に出た状態で動作したときは肩を痛めてしまいます。
肩甲骨を寄せられない場合は肩後部への負荷が高まって、肩後部や背中の痛みの原因にもなります。
このように身体の硬さによる代償動作が懸念される場合は、今すぐに無理してフルレンジを意識しなくても良いでしょう。
徐々に柔軟性を改善しつつ、フルレンジ動作ができるようにトレーニングしていきましょう。

ベンチプレスにおける柔軟性改善の詳細は「肩甲骨の後傾が出来ないとベンチプレスは強くなりません!」を参考にしてみてください。

・筋破壊とパンプ感の両方とも大事

物理的な刺激が重要だということですが、メインセットの反復回数が1~3回など高重量低レップのトレーニングによって筋力向上は望めますが筋肥大は起きにくいとされています。
その要因として、化学的な刺激(パンプ感)も成長ホルモンを分泌するため筋肥大に有効であることと、高重量低レップだけではトレーニングのトータルボリュームを稼げないことが考えられます。

一週間のトレーニングボリュームが多いほど、筋肥大の量も多くなる傾向にあるということです。

一週間の筋力トレーニングボリュームと筋容積との用量応答反応:システマティックレビューとメタアナリシス

トータルボリュームは扱った総重量のことになりますが、一般的に高レップの方がトータルボリュームは多くなる傾向にあります(100㎏1回なら計100㎏、80㎏10回なら計800㎏といったイメージです)。
物理的な刺激の究極は高重量低レップ高セットになりますが、長いインターバル時間を加味するとトレーニング時間を割けられる人しかできないのがデメリットになります。
一週間のトータルボリュームが筋肥大に影響を及ぼすということなので、ベンチプレスを週5日やスクワット週3日など高頻度トレーニングでも良いのですがやはり人を選ぶでしょう。

・TUTを40~60秒間確保すること

TUTはTimeUnderTensionの略で、エクササイズにおける筋肉の緊張時間となります。
筋肥大においてはこのTUTが40~60秒間が適切とされております。
テンポよくベンチプレス動作をする場合は8~10レップくらいが妥当でしょう。
より大胸筋へのエキセントリックな刺激を入れる場合はテンポベンチプレスを採用すると良いでしょう。
例えば、3秒降ろし1秒ボトムキープ最速で挙上する場合は5~6回でもTUTが40秒付近になりますので筋肥大に効果的と言えます。

このように、単純に高レップだけでなくテンポトレーニングを採用すれば低レップでも筋肥大効果を期待できるでしょう。
そうするとバリエーションを多く設定できるので刺激のマンネリ化も防止できるでしょう。

・刺激を変えてマンネリ化を防止

筋肥大も筋力向上もルーの法則における適応反応によって起きます。
変化する環境への”適応”ですので、同じような環境(マンネリ化)では成長が起きにくくなります
トレーニングの原則である”過負荷性””漸進性”によると、筋肉を限界まで追い込む、筋肉の成長に伴って負荷を増やすことが重要だとされています。

トレーニング5大原則は、過負荷性、漸進性、継続性、特異性、全面性になります。
とくに過負荷性や漸進性を見落としてしますので重要になります。
それに比べて継続性(続けよう!)や特異性(脚なら脚トレ!)、全面性(バランス良く!)は当たり前のことじゃんと思います笑

「トレーニングの原理・原則」に関する一考察 – 名古屋学院大学

理想的には毎週少しずつ重量を増やしていくことですが、トレーニングを実践しているとこれだけでは停滞してしまうのを経験できるでしょう。
プログラム(回数やセット数)を変えてみたり、動作(テンポやレンジ)を変えてみたり、トレーニング種目を変えてみたり、生理的な変化として増量期や減量期を設けたり、とトレーニーはマンネリ化防止のため日々精進しております。

筋力向上の秘訣とは

次に筋力向上の秘訣を説明します。
筋肥大と相反する性質がいくつかあるので注意が必要です。

・ストレートセットと十分なインターバル

簡単に説明すると、同じ重量でメインセットをこなすことになります。
例えばスクワット150㎏5回5セット、みたいなメニューとなります。
セット間に十分なインターバルを取ることでパンプ感は減るが、筋肉内の乳酸濃度が低下するのでトレーニングボリュームを稼ぐことができます。
こうすることで物理的な刺激を増やせるので筋肥大と筋力向上の両方をバランス良く伸ばせます。
インターバルは筋肉量に応じて変化しますが上半身3~5分、下半身5~10分くらいが妥当でしょう。

トレーニングによるダイエット効果を期待するのであれば、短インターバルでセットごとに重量を落とすドロップセットが良いでしょう。
こうすることでパンプ感が高まって成長ホルモン→ホルモン感受リパーゼが分泌し、脂肪分解を促進します。

・挙上スピードを重視する、粘らない、追い込み過ぎない

ここが筋肥大のトレーニング方法と相違するところです。
筋力向上のためには、挙上スピードが低下するほど追い込まないことが大切になります。
粘ってしまうと速筋の発達や神経系の発達に対してマイナスの影響を与えてしまいます。
粘らずかつトレーニングボリュームを稼ぐために、ストレートセットにて腹八分目のセットを多セット、そして高頻度で行うことが多いです。

最近では、この腹八分目の加減をRPEやRIRといった表現をします。
RPEとはRating of Perceived Exertionの略で、自覚的運動強度もしくは主観的運動強度というものであり、簡単に説明すると「その運動がどくらいしんどかったか」を数字で表したものになります。

RPE説明(パワーリフティングでよく用いられる表現)
10非常にきつい、限界
9あと1回は出来るかな?
8もう2回は出来るかな?
7スピードを落さずにあと3回スピード落とさずに出来る
6ウォームアップのように行える

RIRとはReps In Reserveの略であり、あと何回できたか?を表したものになります。
パワーリフティングで用いる場合、RPE9=RIR1という認識で良いでしょう。

RIR説明
0もう限界
1あと1回できる
2あと2回できる
3あと3回できる
4あと4回できる

高頻度でトレーニングするということですが、このRPEやRIRを意識してトレーニングを実施します。
ベンチプレスを週3回で実施する場合、Day1をRPE9まで、Day2をRPE8まで、Day3をRPE8までといった形で強度管理して粘らずにトレーニングボリュームを稼ぎます。
ディロード(積極的休養)も入れるとなると、
week1:RPE9,RPE8,RPE8
week2:RPE8,RPE7,RPE7
week3:RPE9,RPE8,RPE8
・・・
みたいな感じになるでしょう。

筋力と筋肥大を促すベンチプレスのトレーニング方法

前置きが長くなりましたが、筋力向上と筋肥大の両方を促すベンチプレスの方法を伝授します。

・フォーム

ベンチプレスでブリッジを組むと、世間一般的には「可動域を減らしてズルをしている!」と思われてしまいがちです笑
ブリッジを組むことは、肩の怪我を予防しつつ大胸筋へのエキセントリックな刺激が増えるので重要になります。
可動域が減ることを懸念される場合は、手幅を狭くするナローベンチプレスが有効です。
ブリッジを組みつつ、81㎝ラインに小指が掛かるくらいの手幅であれば、可動域を維持しつつ大胸筋へのエキセントリックな刺激が入ります。
このブリッジを組んでのナローベンチプレスが筋力向上と筋肥大を促す、理想的なベンチプレスフォームだと筆者は考えています!(この記事ではこれが一番言いたかったことになります)

筆者のベンチプレスのブリッジ、胸を高くするというイメージよりも力強く押せるような肩甲骨のポジションを意識しています。可動域も広めになっています。
↑ベンチプレスフォームの解析動画

肩甲骨や胸椎が硬くて十分にブリッジが組めない場合、無理してバーベルを胸に付けようとせずに大胸筋のストレッチ感を感じる範囲内で動作をしましょう。
また、胸椎が硬い分あえてお尻を浮かすように脚で踏ん張ることで、胸椎が伸展しやすく大胸筋へ刺激が入りやすくなるので試してみる価値はあるかもしれません。

・トレーニングプログラム

トレーニングプログラムとしては、ストレートセットで長いインターバル、RPEを用いて強度管理を意識することでしょう。

TUTは40~60秒くらい、インターバルは3~5分間、止めなしベンチプレスとテンポベンチプレスとバリエーションをつける、RPE9~7と日によって管理することになります。

週3回ベンチプレスの例
week1:
day1(止めなしベンチプレス8回3セットRPE9まで)
day2(テンポベンチプレス5回5セットRPE8まで)
day3(脚上げ止めなしベンチプレス5回5セットRPE8まで)

week2(ディロード):
day1(止めなしベンチプレス8回3セットRPE8まで)
day2(テンポベンチプレス5回5セットRPE7まで)
day3(脚上げ止めなしベンチプレス5回5セットRPE7まで)
・・・繰り返し

以上、簡単なプログラムの例ですが注意点があります。
3~5セットのメニューで、当然のことですが後半に疲労がきて挙上スピードが低下しまうことがある(重量とRPEが変動する)ので、RPEを優先しつつ反復回数を減らしても良いでしょう。

まとめ

筋力向上と筋肥大の両方を狙うベンチプレスの方法は、

・ブリッジを組んで(肩甲骨を下げて適度に内転)の81㎝小指くらいのナローベンチプレスがおススメ

・代償動作が入らないことを前提にしっかりとフルレンジで動作をすること

・トレーニングプログラムは、ストレートセットで十分なインターバル、TUTは40~60秒でテンポを利用して刺激を変える、RPEを用いた強度管理の実施、ベンチプレスのトレーニング頻度は3~5日/週がおススメ

以上になります!
引き続き当ブログを読んで知識を付けて、効率良くトレーニングライフを楽しみましょう!

当ジムではフリーウェイトトレーニング環境が整っており、満足度の高いトレーニングができます。
また、パーソナル指導では専門性の高いトレーナーが一人一人にあった指導を致します。
初回ビジター利用無料やパーソナル初回無料になりますので、興味のある方は下記のお問い合わせフォームにてご連絡お待ちしております!

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