京王井の頭線浜田山駅近くにある本格的なフリーウェイト特化型ジム、パワーフィットスタジオZEROの義田大峰です。

当ジム所属の83㎏級永井選手、ベンチプレス伸びています。

トレーニング歴が1年を超えてきて、
なかなか挙上重量や筋肉のサイズ感が変わらない・・・
トレーニングをすると怪我や関節の違和感が出てしまう・・・

と悩まれてはいませんか?
それはトレーニングの負荷設定が合っていないのかもしれません
今回は「中級者以上のトレーニングプログラムについて」解説していきます。


目次
1.トレーニングの原則
2.初心者向けの10×3プログラム
3.重量が扱えるようになってからのトレーニングプログラム
3-1.マンデルブロトレーニング
3-2.サイクルトレーニング
4.まとめ


1.トレーニングの原則

まず、なぜトレーニングを実施すると筋肉が大きくなるのか、その原理と原則を簡単に説明します。

筋肉が大きくなるのは、トレーニングの刺激に対する適応反応(ルーの法則)です。
刺激は物理的刺激化学的刺激の2つあり、物理的刺激とはバーベルなどの負荷による刺激となります。
化学的刺激とは血中の乳酸が溜まる(パンプアップなど)ような刺激のことです。
筋肥大/筋力向上では物理的刺激を優先し、体脂肪減少では物理的刺激を優先すると良いでしょう。

適度なブリッジを組んで、バーベルを胸に付けるまで降ろして挙げるベンチプレスは大胸筋の王道種目です!

物理的刺激を増すために、以下のことをより意識していきましょう。

・フルレンジ

負荷を掛けながら筋肉を伸張するエキセントリックな刺激が重要となります。
エキセントリックな刺激とは、スクワット動作においては立った状態からしゃがむとき、ベンチプレス動作においてはバーベルを降ろして胸に付けるときの動作になります。
ですので、鍛えたい対象部位をしっかりと伸張する必要があるので、フルレンジでトレーニングすることが大切です。

スクワットでは太ももと床が平行になるパラレルまではしゃがむように、ベンチプレスにおいてはバーベルが胸に着くまで降ろしましょう

柔軟性に問題なければ、スクワットでしっかりとしゃがんだ方が効果が高いのです。重量はその深さを前提にして少しずつ重くしていきましょう!


また、これらの動作をする際に股関節が硬いとスクワットにおいて腰が丸まったり、肩甲骨が硬いとベンチプレスにおいて胸が張れずに肩前部に効いてしまうことがあります。
トレーニングにおいて、股関節と肩甲骨の柔軟性が重要になるということです。
フルレンジ動作ができる程度には柔軟性も高めておきましょう!

・インターバルはしっかりとる

物理的刺激を高めるためには万全な状態でメインセットで追い込むことが重要になります。
ですので、筋肉内の乳酸がある程度除けた状態にしたいところです。
筋肉量に応じて必要なインターバル時間は変わりますが、
上半身:2~5分以上(初心者なら2分以上、上級者で5分以上)
下半身:3~5分以上(初心者なら3分以上、上級者で5分以上)
を目安にインターバルを設けましょう。

2.初心者向けの10×3プログラム

トレーニングを始めたばかりの初心者の場合はフォーム習得を兼ねて、正しいフォームで10回3セット無理なく実施できる重量(3セット目で少し効いてしんどいくらい)から初めていきます。
ちなみにメインセット前やメインセット間は、しっかりとインターバルを取っていきます

毎週+2.5㎏づつ重量を増やしていきます。
重くなると、1セット目10回、2セット目で8回、3セット目で7回・・・みたいに減っていくことでしょう。
この3セットの合計回数が25回以上であれば翌週+2.5㎏の重量を増やします
上の例では計25回のため、翌週はさらに+2.5㎏増やしてトレーニングしていきます。

3セットの合計回数が25回より少ない回数であれば、同じ重量で翌週も実施していきます。

10×3プログラムは筋肥大と筋力が共に向上していくメニューですので初心者~中級者まで長く楽しめるメニューとなります。
こちらの記事にて10×3プログラムを詳しく書いております。

停滞(1か月間以上、重量や反復回数が伸びない)したら、マンデルブロトレーニングやサイクルトレーニングなどへの移行を考えていきましょう。

3.重量が扱えるようになってからのトレーニングプログラム

10×3プログラムで停滞したとき、下記のプログラムを実施すると良いでしょう。

3-1.マンデルブロトレーニング

刺激のマンネリ化が停滞を引き起こすとされております。
マンデルブロトレーニングとは刺激を変えていくプログラムとなり、特に筋肥大効果を期待できます。
・低負荷高回数フェーズ:化学的刺激をメイン
15~20回が限界の重量でトレーニングしていきます。
インターバルも短く設定し、60~90秒ほどが良いでしょう。
・中負荷中回数フェーズ:物理的刺激と化学的刺激の両方
8~12回が限界の重量でトレーニングしていきます。
これは10×3プログラムと同じような負荷設定やインターバルとなります。
・高負荷低回数フェーズ:物理的刺激をメイン
3~6回が限界の重量でトレーニングしていきます。
インターバルは中負荷中回数同様にしっかりと取ります。
また高重量になるので無理なく(5rmできる重量で3回3セット実施するなど)実施していきましょう。

これらのフェーズを、中負荷中回数→高負荷低回数→低負荷高回数→中負荷中回数・・・と、それぞれフェーズを概ね2週間ぐらいを目安に実施していきましょう。

また、10×3プログラムから導入しやすい義田オリジナルの「勝手にマンデルブロトレーニング」もありますので是非一読してみてください。

3-2.サイクルトレーニング

中級者以上になると扱える重量が増えていくため、毎回限界まで追い込むと怪我のリスクが高まってきます。
また、中級者以上になると身体的/技術的な成長速度は遅くなります。毎トレーニングで自己ベスト更新し続けるのは無理があるので、例えば30~45日に1回ピークを持っていき自己ベスト更新して成長していくやり方があります。
サイクルトレーニングとはそんなやり方に適したトレーニングプログラムとなり、特に筋力向上に有効なトレーニングプログラムとなります。

サイクルトレーニングは3歩進んで2歩下がって、1歩づつ確実に成長していくトレーニングプログラムです!

例えば、今までのベンチプレスの自己ベストが100㎏8回だとします。
4週間後に102.5㎏8回挙上を目標に、毎週+7.5kg刻みでサイクルトレーニングを組みます・・・
4週目:102.5㎏8回2セット、(メモリーセット110㎏4回)
3週目:95㎏8回2セット、メモリーセット102.5㎏4回
2週目:87.5㎏8回2セット、メモリーセット95㎏4回
1週目:80㎏8回2セット、メモリーセット87.5㎏4回
となります。
4週目で102.5㎏8回を1セットでも達成したら、次のサイクルトレーニングでは4週目で+2.5㎏増やした105㎏8回になるようにプログラムを組み直します。

サイクルトレーニング序盤の1週目2週目はかなり軽くて余裕があります。
フォームをより丁寧にすることはもちろんのこと。
マンデルブロトレーニングの刺激の変化も考慮すると、この序盤1~2週はボトムストップ(バーベルを胸に付けて1秒キープしてから挙上する)で実施すると良いでしょう。
こうすることでTUT(タイム・アンダー・テンション)が長くなり、低負荷高回数同等の刺激を入れることができます
また、ベンチプレスの補強トレーニング(ディップスやダンベルベンチプレス、インクラインベンチプレスなど)はサイクルトレーニング序盤1~2週目は多く実施、終盤の3~4週目は補強トレーニングを少なくするか実施しないのがおススメです。
私はサイクルトレーニング序盤の補強種目はそれぞれ3セット実施し、サイクルトレーニング終盤は重量を変えずに1~2セットだけ実施するようにしています。

サイクルトレーニングの秘訣は、軽い時期であるサイクルトレーニング序盤を我慢できるかです笑
私も最初は「こんな軽くて筋肉が衰えないか?」心配でしたが、きちんとサイクルトレーニング通りにトレーニングを実施したら1ヶ月ごとに+2.5kgづつ自己ベストを更新できました!
これは素晴らしいことです、サイクルトレーニングありがたやありがたや・・・。

4.まとめ

いかがでしょうか。
トレーニングを開始して間もないころは、正しいフォームであればガムシャラに追い込むだけでどんどん伸びていきます。
しかし、ある程度の重量が扱える中級者以上になると、ダメージが蓄積したり成長に伴わない重量を持つことで、かえって成長を妨げることにつながります。

中級者以上ではトレーニングの刺激を変えるマンデルブロトレーニングや、パフォーマンスピークを作って自己ベストを更新していくサイクルトレーニングの実施がおススメです!

是非、これらのトレーニングプログラムを導入して、常に成長できる気持ちいいトレーニングを実施していきましょう

引き続き宜しくお願い致します!

参考文献:
・物理的刺激による骨格筋量変化とストレス応答 大野 善隆、後藤 勝正
・筋力 トレーニ ングについて – J-Stage