京王井の頭線浜田山駅近くにある本格的なフリーウェイト特化型ジム、パワーフィットスタジオZEROの義田です。
パーソナルトレーナーという職業を長く実施していると、お客様や友人から色々と質問をされます。
運動生理学、栄養学、機能解剖学の知識、更に現場の経験も踏まえて、それらの観点から質問に答えるコーナーを設けました!
今回は増量(=バルクアップ)に関する質問に答える回となります。
目次
増量/バルクアップに関する質問
バルクアップとは筋肥大によって身体を大きくすることになります。
トレーニングと言えばダイエットがメジャーですが、体脂肪を減らすだけではなく筋肉量も増やさないとカッコイイ、美しい身体にはなりません。
正しいボディメイクとは、無駄な体脂肪が無く、筋肉量が多い状態になります。
正しいバルクアップは極力体脂肪を増やさずに筋肉を付けることになります。
Q1痩せ体型で筋肉が全くありません、まずは何をしたら良いですか?
ガリガリで周りから心配されます…
筋肉をつけて虚弱体質な見た目から健康的な身体になりたいのですが、何をしたら良いでしょうか?
A1バルクアップ(増量)は食事量を増やすことと筋トレが大切
まず材料を供給しないと筋肉が作られませんので、食事では最優先でタンパク質を摂取しましょう。
併せてビタミンミネラルを摂取出来ると理想的です。
次にカロリー摂取量を増やしてカロリーバランスが摂取>消費になるように調整します。
余剰なカロリーがあるとその分筋肉が付きやすくなります(体脂肪も付きやすくなりますが、痩せ型であればそこまで気にしなくても良いでしょう)。
無駄な体脂肪を付けないバルクアップをするための栄養バランスは、高タンパク高糖質低脂質になります。
肉、魚、卵、大豆、乳製品、プロテインなどでタンパク質を補給。
米、パスタなど主食の量を増やして(毎食大盛りやおかわりするなど)糖質摂取量を増やします。
代わりに、脂身の多い肉や揚げ物、生クリームの多い洋菓子類などは極力避けて余分な脂質摂取を避けます。
痩せ型の人は元々胃腸が強くない場合が多く、脂質の消化が上手く行かなくて体調を崩してしまうことがあります。
ビタミンミネラルは果物、野菜、海藻から摂取出来るので、極力摂取したいところですがおそらく不足するのでサプリメントを上手に活用出来ると良いでしょう。
ダイエットにおいては、血糖値の急上昇を抑えるのために野菜から先に摂取するベジタブルファーストを推奨されます。
しかし、バルクアップにおいては主食と主菜から摂取した方が栄養の吸収が良くなるため(小腸のタイトジャンクションという栄養吸収の穴が塞がらないため)、必ずしもベジタブルファーストを実施する必要はないと考えています。
昼食後血糖に及ぼす朝食の影響 林 詩央里、高部稚子、小椋真理、八木雅之、米井嘉一
https://www.toukastress.jp/webj/article/2017/GS17-10J.pdf
腸管上皮のタイトジャンクション構造 – J-Stage 鈴木卓弥 著 · 2020
https://www.jstage.jst.go.jp/article/milk/69/3/69_180/_pdf
食事によって筋肉を作る材料とエネルギーを供給したら、筋肉へ刺激を与える筋トレが大切になります。
トレーニング内容については質問3以降で説明します。
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オススメのエクスプロージョンのプロテインになります。
理由はコスパ最強だからです笑
溶けはちょっと悪いですが、味はそこそこ良い感じです。
もっとコストを優先するのであれば540プロジェクトのプロテイン(味無し)がおススメです。
味が無いので他の味の付いたプロテインと混ぜて飲むのもおススメです。
ビタミンミネラルはタンパク質と結びついて酵素となり、ダイエットはもちろん健康にも欠かせない物質となります。
紹介したものは筆者オススメのコスパ最強のマルチビタミンミネラルです。
メガワンよりやや高価になりますが、アイハーブから購入できるアニマルパックがビタミンミネラルだけでなく、抗酸化物質、消化酵素も含まれているためおススメです。
Q2食が細くて食べられません…
固形物の量を増やしましたが、あまり体重の増え方が芳しくありません…
何か秘策ありますでしょうか?
A2飲み物を活用してカロリーや栄養素を補填しましょう
なるべく固形物から各栄養素を摂取しますが、固形物だけでの摂取が難しい場合は飲み物を活用しましょう。
オススメはプロテインの飲むヨーグルト割りハチミツ入りです。
プロテインでタンパク質を摂取、飲むヨーグルトは乳酸菌で腸内環境を整えつつ糖質も補給でき、ハチミツ(もしくは粉飴)は良質な糖質となります。
要は高タンパク高糖質低脂質ドリンクとなります。
朝食を食べられない方はこれを代用しても良いですし、食間や寝る前に摂取出来ると増量が上手くいく可能性がグッと上がります!
バルクアップ向け食事メニューのイメージ
朝食:特製ドリンク
タンパク質38g 脂質4g 糖質69g 469Kcal
昼食:焼きサバ定食ご飯大盛り(サバ、白米、味噌汁、漬物)
タンパク質34g 脂質36g 糖質122g 854Kcal
間食:特製ドリンク
タンパク質38g 脂質4g 糖質69g 469Kcal
夕食:ポークステーキ定食(豚ロース200g、白米、味噌汁、漬物)
タンパク質29g 脂質30g 糖質132g 808Kcal
寝る前:特製ドリンク
タンパク質38g 脂質4g 糖質69g 469Kcal
総計:タンパク質179g 脂質79g 糖質462g 3069Kcal
バルクアップ期の食事の詳細は過去記事「意外と見落としがち!?筋肉を付けるためにまずはやるべきこと~食事編~」を参照してください。
粉飴は麦芽糖という糖質を多く含みます。
糖質を効率良く摂取するのにおススメです。
Q3バルクアップ期のトレーニングで大切なことは?
バルクアップのための食事管理はバッチリです!
トレーニングでは何を意識した方が良いでしょうか?
A3インターバル長めで物理的な刺激を強めることが大切
筋肥大を優先させるトレーニング方法は、物理的な刺激を強めることと、エキセントリックな刺激の強いストレッチ種目を実施することです。
ダイエット期のトレーニングでは短時間のインターバルで種目をこなし、乳酸を溜めて成長ホルモンの分泌を促す→ホルモン感受性リパーゼによって体脂肪分解が捗ります。
逆に筋肥大はインターバル時間をしっかり取って、乳酸を極力除去してからパフォーマンスを十分に発揮することが大切です。
このことからインターバルは上半身2分以上、下半身5分以上が良いでしょう。
筋肉量が多くなるほどインターバルの時間を増やします。
筆者の場合はベンチプレスのセット間は5分間、スクワットのセット間は10分近く取るようにしています。
選定する種目としては、フルレンジ(代償動作が出ない範囲で最大限に動作をする)のスクワット、ベンチプレス、デットリフト、ショルダープレス、チンニングなどのBIG5がおススメです。
・スクワットの動画
・ベンチプレスの動画
・デットリフトの動画
・ショルダープレスの動画
・チンニング(懸垂)の動画
・チンニングが難しいときはラットプルダウンがおススメ↓
単関節種目は、筋肉伸張時に負荷の掛かるストレッチ種目を実施しましょう。
上腕二頭筋(力こぶ)はインクラインアームカールを。
上腕三頭筋(二の腕)はライイングトライセプスエクステンション。
腹筋運動は、アブローラーやシートニーアップクランチ、バックエクステンションシットアップなどがオススメです。
コスパの良いBCAAになります。
個人的にアブローラーのおススメはSINTEX(シンテックス)製の物になります。
摺動した際の回転が滑らかですし、ブレーキ機能も使い方次第ではアブローラー動作をサポートしてくれます。
筋肥大のためのトレーニング方法の詳細は過去記事「筋肥大を目的としたトレーニング法とトレーニングの基礎知識」を参照してください。
Q4健康的な増量の増やし幅はどれくらい?
食事量を増やして、フルレンジかつストレッチ種目をメイン、インターバルをしっかり取って筋トレします!
月に何㎏くらいでしたら健康的にバルクアップ出来ますか?
A4急激ではなく月2%くらいの増量幅が適切
月に+2%ですと、体重60kgの場合は1.2kg/月となります。
増やそうと思えばもっと増量出来ますが…
意外と筋肉が増えるペースはゆっくり※で、急激に体重を増やしても割合的に体脂肪や水分が増えてしまいます。
※筋肉が増えるペースは初心者で+1.5%/月、中級者で+0.5〜1%/月、上級者で+0.25〜0.5%/月と言われております。
How Fast Can You Build Muscle? 5 Factors That Affect Muscle Growth – BUILTLEAN(どのくらいの速さで筋肉を構築できますか? 筋肉の成長に影響を与える 5 つの要因)
https://www.builtlean.com/how-fast-can-you-build-muscle-5-factors-that-affect-muscle-growth/
体重60kgの場合の増量ペースは、月に+1.2kg、週に+0.3kgとなり、起床後トイレ後の体重測定がおススメです。
定期的に体重測定をして、体重増加のペースを把握して食事量を調整していきましょう。
Q5増量が頭打ちになり体重に変化ありません…
増量4ヶ月目ですが、3ヶ月目以降ほぼ体重が変わらなくなりました。
食事量を増やすのもキツくなってきましたし、どうすれば良いでしょうか?
A5恒常性を揺さぶるためプチ減量しましょう
人間には一定の状態を保とうとする恒常性(ホメオスタシス)があります。
例えば、外気が暑くなれば汗をかいて体温を下げようとしますし、外気が寒くなれば筋肉の震え運動によって体温を上げようとします。
さらに深掘りをすると、外気が暑くなり汗をかいているときに外気を下げると体温が下がり過ぎてしまいます。
このように、恒常性の揺さぶりを利用することで停滞を打破することができるのです。
増量においては、3ヶ月くらい増量期を挟んで、その後に1ヶ月くらいのプチ減量を挟みます。
増量一辺倒になるとインスリン感受性の低下、体脂肪増加による女性ホルモン分泌による弊害が懸念されます。
インスリンは膵臓のランゲルハンス島β細胞から分泌されるホルモンで、血糖値を下げる働きがあります。
例えば糖質を摂取すると血糖値が上昇しますが、インスリン分泌によって血糖が肝臓、筋肉などへと運ばれます。
このインスリンにはあらゆる細胞を増やす同化作用があり、もちろん筋肥大にも関与します。
増量によって摂取カロリーが多い状態が続くと、このインスリンの感受性が低下して働きが弱くなります。
インスリン感受性が低下すると筋肥大の効率も悪くなりますので、このタイミングでダイエットを挟むと回復しやすくなります。
また、体脂肪は女性ホルモンの分泌を盛んにするとされており、女性ホルモンは筋肥大を阻害し皮下脂肪を増えやすくします。
長期的な増量で体脂肪が過多になると、この女性ホルモンの働きが筋肥大を阻害することが懸念されます。
インスリン感受性評価法 塩之 入太, 山田 信博
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjcdp1974/34/2/34_2_162/_article/-char/ja/
増量とプチ減量を交互に実施することが、バルクアップの停滞打破につながるでしょう。
それぞれの増量、減量ペースは同等くらい(月2%くらい)で良いでしょう。
例えば体重60kgの場合、
1ヶ月目増量:60→61.2kg
2ヶ月目増量:61.2→62.4kg
3ヶ月目増量:62.4→63.7kg
4ヶ月目減量:63.7→62.4kg
5ヶ月目増量:62.4→63.7kg
6ヶ月目増量:63.7→65kg
7ヶ月目増量:65→66.3kg
8ヶ月目減量:66.3→65kg
9ヶ月目増量:65→66.3kg
10ヶ月目増量:66.3→67.6kg
11ヶ月目増量:67.6→69kg
12ヶ月目減量:69→67.6kg
みたいな増量計画となります。
60kgの場合、1年間掛けて+9kg付近であれば、体脂肪をそれほど付けずにリーンにバルクアップできるでしょう。
αリポ酸は抗酸化物質であり、インスリン感受性の改善にもなるとされるサプリメントです。
Linus Pauling Institute » 微量栄養素情報センター αリポ酸
https://lpi.oregonstate.edu/jp/mic/%E9%A3%9F%E4%BA%8B%E6%80%A7%E5%9B%A0%E5%AD%90/%E3%83%AA%E3%83%9D%E9%85%B8
まとめ
筋肉で身体を大きくするバルクアップ(増量)に必要なことは、食事管理と筋トレになります。
食事管理では摂取カロリーを増やしてカロリーバランスを摂取>消費の状態にします。
栄養バランスは高たんぱく質高糖質食低脂質が良いでしょう。
固形物だけでの栄養補給が難しい場合は飲み物を活用しましょう。
プロテイン+飲むヨーグルト+はちみつ(もしくは粉飴)がおススメです。
朝食の代用に、食事と食事の間や寝る前に飲むことを推奨します。
トレーニングはインターバルを長めに設定し、フルレンジを意識してスクワット、ベンチプレス、デットリフト、ショルダープレス、チンニングなどのBIG5。
インクラインアームカール、ライイングトライセプスエクステションなどのストレッチ種目もおススメです。
適切な増量幅は+2%/月、3ヶ月おきに1ヶ月間のプチ減量(同じく-2%/月)を挟むと停滞なくバルクアップ出来るでしょう。
是非、このバルクアップの秘訣を実施して強くたくましい身体作り、ダイエット後の代謝向上に役立てていきましょう!
以上になります!
パワーフィットスタジオZEROでは、他のフィットネスジムよりもフリーウェイトに特化したフィットネスジムであり、トレーニング中級者以上の満足度の高い良いトレーニング環境となるでしょう!
あと、パーソナルトレーニング指導もしておりますので、スクワット、ベンチプレス、デットリフトをしっかりと学びつつ、他のダンベルやマシン種目なども学んでボディメイクもしたい方にもおススメです。
初回ビジター利用無料やパーソナル初回無料になりますので、興味のある方は下記のお問い合わせフォームにてご連絡お待ちしております!
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